2026/05/12 13:00

レモンを使ったものを作っていると、
よく考えることがあります。

「どんな素材と合わせると、この香りが一番活きるんだろう。」

レモンというと、酸味の印象が強いですが、
実際はそれだけではなくて、
いちばん魅力的なのは“香り”だと思っています。

切った瞬間にふわっと広がる、
あの爽やかな香り。

強すぎず、でもちゃんと印象に残る。
だからこそ、合わせるものによって、
良さが大きく変わります。

パンで合わせるなら、
個人的にはシンプルな生地が好きです。

バターの香りがやさしく広がる生地や、
少し甘さを抑えた食パン。
そういう“余白”のあるパンの方が、
レモンの香りが自然と引き立つ気がします。

甘さを強くしすぎると、
レモンの繊細な香りが消えてしまうことがあります。

逆に、生地が軽すぎても、
今度はレモンだけが浮いてしまう。
発酵バターのような、
コクはあるけれど重たすぎない素材は、
レモンとの相性がとてもいいなと感じています。

焼き菓子も同じで、
レモンを主役にしたいときほど、
他を足しすぎないことを意識しています。

例えば、バターケーキ。
焼き上がった生地にレモンの香りが重なると、
甘さの中に少しだけ軽さが出て、
最後まで飽きずに食べられます。


クッキーに合わせると、
バターの香ばしさの中に、
ふっと爽やかさが残る感じも好きです。

レモンは、前に出すぎるよりも、
“あとからじんわり感じる”くらいがちょうどいい。
そんなバランスが、好きです。
だからパンや焼き菓子を作るときも、
「レモン感を強くする」というより、
“また食べたくなる香り方”を意識しています。

派手ではないけれど、
気づくとまた手が伸びる。
そんな味を、これからも少しずつ形にしていきたいと思っています。